プレミアリーグ第1節 アーセナル vs マンチェスターシティ 18-19 

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さあ、プレミアリーグが始まった。

アーセナルそのものだったアーセン・ヴェンゲルはクラブを去り、

ウナイ・エメリ監督の下で迎える今シーズンはまさに新時代の幕開けといえる。

だが、その前に立ちはだかったのは、王者マンチェスターシティだ。

圧倒的な強さを見せた昨シーズンからさらなる飛躍を狙うグアルディオラのチームは、

やはり完成度という点で今のアーセナルを大きく上回っていた。

0-2という結果はなによりも雄弁にその事実を物語っている。

 

※スタメン、得点など詳しい試合結果はこちらから

 

まず、やはりシティの選手層は厚い。

ダビド・シルバ、オタメンディ、コンパニは試合に出ておらず、

デブライネとサネは途中交代での出場。

この5人を使わずに相も変わらずペップのフットボールをやってのけるのだから、恐ろしいチームである。

ベルナルド・シウバはチームへの適合度をますます高めているし、

スターリングと新加入のマフレズの共存もすでにある程度実現できている。

チームに戦術が浸透し、誰もが統一されたコンセプトのもとで質の高いプレーを見せる、

今シーズンもシティはタイトルに最も近いチームだ。

唯一の懸念はデブライネが3か月以上の長期離脱を強いられていることだが、

この試合でみせた選手層の厚みはこの懸念すらも払拭しうるものだろう。

 

 

さて、一方のアーセナルだが、エメリが取り組むべき課題は山積している。

前線からいえば、やはりまだベストメンバーを見つけるには時間がかかりそうだ。

この試合ではラムジーとオバメヤンが2トップの4-4-2のような布陣が見られ、

エジルとムヒタリアンがサイドに回り、ラカゼットは54分にラムジーとの交代で出場を果たした。

この布陣を継続するのか、

あるいはエジルをトップ下に置く4-2-3-1か、

それとも右サイドに置く4-3-3か。

ワールドカップの影響も含めて選手たちのコンディションも十分に整っていない中で、

どのような組み合わせをエメリが見出すのか、注目する必要がありそうだ。

 

次にディフェンスをみていくと、やはり昨シーズンから一番変わったのがプレッシングだ。

前線から激しくプレスをかけていくエメリのスタイルをこの試合でもみることができたが、

アーセナルがそれに適応するためのカギはやはりルーカス・トレイラになるだろう。

ボールを奪うのはアーセナルがこれまで不得意としてきた部分であり、

昨シーズンもアーセナルのボール奪取回数はプレミアリーグで13位だった。

この部門の改善には、ワールドカップでロナウドを弾き飛ばした闘犬のフィットが欠かせない。

 

 

 

そして、最も気になったのはディフェンスラインのルーズさだ。

チームとしての規律やソリッドさを欠いていたことは明白で、

シティの選手への球際での対応のあいまいさは致命的だった。

特にスターリングにゴールを許したシーンはそれが顕著で、

ベジェリン、グエンドウジのボールへの寄せは軽々とはがされてしまった。

ソクラティスとムスタフィのコンビもスピードには不安があり、

エメリのスタイルでは中盤の間延びと裏のスペースの管理という課題に取り組まなければならないだろう。

そして、モンレアル、コラシナツにつづいてナイルズも負傷してしまったことで、

左SBにはリヒトシュタイナーが入ることになったが、

この急造のディフェンスラインでチェルシー戦に臨むのは酷な話である。

ウェルベックで臨むことは…考えにくい。

 

最後に控えるチェフも、

1失点目のスターリングのシュートに対する反応の悪さや、

後方でのパス回しでのぎこちなさからあわやオウンゴールというシーンもあった。

グエンドウジのミスを素晴らしいセーブでカバーするなどいくつもの危機を救ってはいたが、

今が新加入のレノにもチャンスを与えるべきタイミングなのかもしれない。

 

また、プレミアリーグデビューを果たしたグエンドウジだが、

先ほど述べた1失点目のスターリングへの対応や、

アグエロにチャンスを与えてしまったシーンなど、

まだまだプレミアリーグへの適応が必要だろうと思われるシーンが散見された。

一方で、そうしたミスをものともしない積極的な姿勢、

美しいロングパスはとてもポジティブに映った。

彼のような若手の台頭は、新体制の飛躍を支えてくれるはずだ。

与えられたチャンスをのびのびと活かしていってほしいと期待が高まった。

 

 

 

このように、結果と内容の両面でまだまだ課題の残るエメリ体制の初陣となったが、

この試合だけをみてトニー・アダムスのようにエメリを辛辣に批判するのは、

おそらくヴェンゲル体制からの変化への期待が強すぎた反動とは思うが、やや性急だろう。

相手は3年目でチームの総仕上げに入っているグアルディオラ監督のマンチェスターシティで、

しかもまだリーグは始まったばかり。

私も含めて、アーセナルのサポーターたちが最も得意としていること(あるいは得意になってしまったこと)は、長い目で待つことである。

グエンドウジの成長やトレイラやレノの先発デビューなど楽しみなことはいくつもあるし、

しばらくは、待てば海路の日和あり、という心持でいよう。

 

次戦のチェルシーはサッリを新監督に迎え、開幕を勝利で飾っている。

スタンフォードブリッジでのジル―との再会まで、それほど日は遠くない。

 

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