ロシアワールドカップ グループリーグ雑感

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ロシアワールドカップはすでに決勝トーナメントが始まり、

早くもメッシとロナウドという2大スターがこの舞台から姿を消した。

一つの頂点に向けて収斂していく過程でいくつものドラマが描き出されてきたが、

その興奮を忘れないため、

グループリーグで印象に残った試合などについてちらほらと記していこう。

 

まず最も印象的だったチームを挙げると、

堅固なバックラインと中盤のハードワーク、強力な2トップの融合で3連勝を収めたウルグアイ。

決勝トーナメントでもポルトガルを完封し、優勝も十分狙えるほどの完成度を示している。

グループリーグでのベストバウトは快勝したロシア戦、ではなく初戦のエジプトとの試合だ。

得点には苦しんだものの、最後の最後でセットプレーからヒメネスのゴールで勝ち切ったその様は、

まさに質実剛健なウルグアイの真骨頂だった。

 

スアレスの凄さはリバプール、バルセロナで幾度も見てきたため、FKを決めても驚きはしない。

むしろ、ここまでの品行方正さにもの足りなさを感じるくらいだ。

そして、ゴディンのディフェンスはやはり素晴らしい。

ピンチの芽を摘み取り、あらゆるボールを跳ね返す。

アーセナルも苦しめられた彼とヒメネスのアトレティココンビが、

エムバぺらフランスの攻撃陣とどう対峙するか、いまから楽しみで仕方ない。

また、カバーニのパスセンスも印象的だった。

得点能力だけではない彼の存在はウルグアイには不可欠なだけに、

彼の怪我の状態が気になるところだ。

 

 

ウルグアイ同様に3連勝で突破を決めたクロアチアも、

屈指のパフォーマンスを見せたチームだ。

個人の技術の高さや統一されたディフェンスはこれまでも保持してきた強みであったが、

今大会のクロアチアはただならぬ闘志を纏っている。

それが最もよく表れていたのがアルゼンチン戦で、

メッシを完全に抑えたばかりでなく、

南米の戦士たちに全く引けを取らない球際の強さを示していた。

特に、マンジュキッチとレビッチの二人は画面越しに世界中へとその熱を届けていたように思える。

そのうえ中盤にモドリッチとラキティッチはもちろん、黒子として攻守を支えたブロゾビッチに加え、

コバチッチやバデリも控えているとあれば、期待は高まるばかりだろう。

決勝トーナメントの山をみれば、クロアチアが決勝まで勝ち進んだとしても不思議はない。

 

 

もうひとつ印象的だったチームを挙げるとするならば、それはイランだろう。

モロッコに劇的な勝利を挙げ、ポルトガルを苦しめた躍進を支えたのは、

最後まで体を投げ出すディフェンスへの献身性と、

アズムン、ジャハンバクシュらの技術に支えられたカウンターの鋭さだ。

あきらめというものを感じさせない堂々とした戦いぶりは、

アジアのチームに対する見方を変えるのに十分なものだった。

敗退はしたものの、厳しい組み分けの中で勝ち点4を獲得したことで、

4年後のイランがどこまで成長できるか、アジアでの日本との対戦も含めてとても楽しみになった。

 

一方で、残念だったのはアイスランド、セネガルの2チーム。

アイスランドはアルゼンチンとの初戦では、

ストロングポイントである堅守速攻でワールドカップ初の勝ち点を手にしたものの、

ナイジェリア、クロアチアには勝ち星を挙げられず敗退が決まってしまった。

シグルズソンやグズムンドソンといったプレミアではおなじみの選手たちのインパクトも薄かった。

もちろん、そのひたむきな戦いぶりが観る者の心を打ったことは忘れてはならないだろう。

前回のユーロ2016のような躍進を、次のワールドカップで見せてくれることを楽しみにしている。

 

日本とのフェアプレーポイントの差で敗退したセネガルもまた、

決勝トーナメントで見たいチームだった。

ポーランド戦では圧巻のスピードと統率力を見せていたし、

シセ監督の凛々しい姿も合わせてアフリカのイメージを覆す魅力を味わわせてくれた。

マネ、ゲイエ、クヤテ、ディウフらプレミアリーグの選手たちも多くいただけに、非常に惜しい敗退だった。

日本とセネガルでともに決勝トーナメントへ進めればベストだったが、

こうなれば日本とコロンビアがセネガルの分まで躍進してほしいと思う。

また、サイドで快速を飛ばしていたサバリとサールにはクラブレベルでの活躍も楽しみにしたい。

 

また、ベルギー・イングランド戦についても触れておこう。

プレミアリーグのいちファンとしてワールドカップの組み合わせが決まった時から楽しみにしていたこの一戦は、

案の定退屈な内容の試合となった。

それでもヤヌザイのゴールはユナイテッドファンの郷愁を誘ったのではなかろうかと思うが、

デブライネやルカク、ケインが不在ではどうしても盛り上がりに欠ける。

何かの機会があれば、このカードをフルメンバーで、

主審をジョナサン・モスにお任せしたい。

 

このほかにも、盛者必衰の感をぬぐえない王者ドイツの陥落、

日本のまさかのグループリーグ突破など、驚くべきことはまだまだあった。

その喜怒哀楽と2本の中指で話題を持って行ってしまうマラドーナも、

土壇場でFKを決めてしまうロナウドもカリスマ十分だ。

 

書き足りなさは残るが、そろそろスペインとロシアの試合が始まるころだ。

最後に触れたいのはエジルのことである。

様々な心ないコメントが韓国戦の敗戦後に散見されたが、

アーセナルのサポーターたちは、

エジルが冷静な仮面の下に熱い闘志を秘め、最後までチームのために戦ってくれる選手であることを知っている。

ここでの悔しさをエメリと共にプレミアリーグの舞台で晴らしてくれることを願うばかりだ。

また、ウェルベックがコロンビア戦で炸裂することもついでに願っておこう。

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